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日本での「板ネコ」の起源に疑問?

  日本での「板ネコ」の起源に疑問? 野村 2001/11/16 10:35:23 
  「山ヶ野金山のすべて」は大阪府立図書館(... 野村 2001/11/16 13:25:51 
  訂正:比重選鉱法しちきちね板製の→比重選... 野村 2001/11/16 16:43:01 
  金銀鉱山では「ネコ場」「ネコ板」「ネコ木... ゆのおくちゃん 2001/11/16 19:26:55 
   └携帯性は「藁」の方が良いですね。 野村 2001/11/17 12:45:19 

  日本での「板ネコ」の起源に疑問? 野村 2001/11/16 10:35:23  ツリーへ

日本での「板ネコ」の起源に疑問? 返事を書く
野村 2001/11/16 10:35:23
「山ケ野金山物語」で、あっと驚く記述を見つけました。
日本の「板ネコ」の起源に関して、疑問が出てきました。

定説では明治33年(1900年)5月に、枝幸にやってきた2人の外国人、
カナダのクロンダイクから来たピーター・ジョスと、アメリカのカリ
フォルニアから来たユーゼン・スコイアが、大がかりな「スルース・
ボックス」を用いて砂金を採集し、それを見た日本人が、自分たちの
「流し掘り」に取り入れるために、それまで「ワラねこ」を使っていた
のに代えて、スルースボックスの長さを短くして幅を広くした「板ネコ」
が誕生した、ということになっていましたよね。
北野牧夫さんの「黄金郷への旅 北野砂金物語」道新選書にはそう書いてあります。
おそらく、北海道の皆さんの見解もそうだと思うのですが(私も昨日まで
そう信じていたんですが)、昨日借りた「山ケ野金山物語」の中に、
市来四郎太の「日記」慶応3年(1867年)〜 が引用してあります。
その日記の引用と、解説を、孫引きさせてもらいます。
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明治2年巳四月二十一日晴
一、宮之城広橋川筋 仏人伝法猫板 梅雨中御休に付 右猫板格護方として −後略
一、右一行猫板取締方に付諸雑用見当として −後略
一、猫板流砂金取之事
一、夫六十四人 右猫板取場方入用として御雇入相成候間 −後略

 しきりに「猫板」が出てくる。仏人伝法とある。「山ケ野金山のすべて」
いよると、お雇い外国人第一号といわれるフランソア・コワニーらしい。
彼は慶応年間に来日し、後明治政府に転出したという。山ケ野金山へ来た
のはよく分からないが、「日記」の慶応三年十二月八日の記事に、
「フランス人国見嶽登山の事」とあり、多分そのことであろう。
 板猫というのは、「ねこながし(禰古流し)」のことだろうか。
ねこながしは、「ねこだ」といわれる藁縄で編んで作った大形のむしろ
の上を、砂金を含む砂を水と共に流すと、金粒はねこだの目に溜り、
砂は流れ去るという砂金比重選鉱法しちきちね板製の樋流しよりは
収拾率が良いという。佐渡金山でもこれを使ったというから、仏人伝法
の猫板とは別のものかも知れない。いずれにしても現在の薩摩町広橋
から黒鳥の間の川筋で家業しているが、その成果はよく分からない。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 「藁ネコ」のことを「板」とは呼ばんでしょう!
ということは、板猫の日本伝来は、明治33年ではなくて、慶応3年〜
明治2年に遡る?!
えらいこっちゃ!

慌てず確認しましょう。
今後の調査項目は、
(1)「山ケ野金山のすべて」という絶版の本をどこかで借りて読む。
(2)鹿児島に「板猫」の長さに関する記述が残ってないか、調べる。
(3)フランスで当時(1870年頃)、どんな長さのスルースを使っていたか調べる。
こんなところでしょうか?
考えたら、湯之奥金山でも、板に細い溝を刻んだ物で、砕いた金鉱石から
金粒を分離していたんだから、砂金掘りに板製の「ネコ」を使っても、
不思議はないんですけどね。
「北海道砂金史研究会」の皆さんの御意見をお待ちしてます。


  「山ヶ野金山のすべて」は大阪府立図書館(... 野村 2001/11/16 13:25:51  ツリーへ

Re: 日本での「板ネコ」の起源に疑問? 返事を書く
野村 2001/11/16 13:25:51
「山ヶ野金山のすべて」は大阪府立図書館(中之島)に在ることが判りました。
こんど大阪に行ったときに借りて読んでみます。

  訂正:比重選鉱法しちきちね板製の→比重選... 野村 2001/11/16 16:43:01  ツリーへ

Re: 日本での「板ネコ」の起源に疑問? 返事を書く
野村 2001/11/16 16:43:01
訂正:比重選鉱法しちきちね板製の→比重選鉱法だが、板製の
ひらがなキーをうっかり入れて打ったままになってました。すみません。

  金銀鉱山では「ネコ場」「ネコ板」「ネコ木... ゆのおくちゃん 2001/11/16 19:26:55  ツリーへ

Re: 日本での「板ネコ」の起源に疑問? 返事を書く
ゆのおくちゃん 2001/11/16 19:26:55
 金銀鉱山では「ネコ場」「ネコ板」「ネコ木綿」「ネコの子」な
ど、ネコ流しから派生した用語が多く存在します。その大元のネコ流しは「ネコがき」を使用することに由来するそうです。
 ちなみに千葉大学教授でワラ文化研究家の宮崎清氏によると、ネコがきは農耕文化とともに朝鮮半島から伝わり、手で編むしぐさが「猫編み」といって、猫がつめを研ぐ格好に似ているからだそうです。この「ネコ」という言葉がすっかり定着してしまっているような気がしますが、板に関しては、一応「セリ板」が正式名称といえます。
 それはそうと、猫板(板猫)ですが、山ケ野金山については詳しくは分かりませんが、代表的な鉱山絵巻には板状のものが描かれて
いますので、1600年代には間違いなく存在した道具と考えられていますから板状のものは、随分前から、存在していたものと考えられます。だからといって、じゃあ、同時期にこれが川で使用されていたかと言うと、どうなんでしょうね。
 個人的には、まったく使ってないということはないだろう、と思います。ただ、筵の方が主であったのではないかと。板と藁では、藁の方が耐久性はなくても柔軟性があるような気がするので、川の流れの中で使うのなら、こっちの方が使い勝手が良さそうな感じがする、というのがそう思う理由ですけれど。この辺調べてみますね。

   └携帯性は「藁」の方が良いですね。 野村 2001/11/17 12:45:19  ツリーへ

Re: 金銀鉱山では「ネコ場」「ネコ板」「ネコ木... 返事を書く
野村 2001/11/17 12:45:19
携帯性は「藁」の方が良いですね。
耐久性は「板」が上。
回収効率は不明。というか、条件によって違いすぎますので、一概に
言えない。
となると、山ケ野のように、定点で操業しているような砂金場では
板だった可能性は十分にありますね。
でも、可能性ばかり見当していても埒があかないので、フランス側の
資料を調べてみます。
御意見、ありがとうございます。


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