砂金産地TODAY 関之沢 大森 2001/12/25 09:40:57
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砂金産地TODAY 関之沢 |
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大森 2001/12/25 09:40:57 | |
静岡市安倍川上流の梅ヶ島は今川のちに武田の金山として栄え歴史上でもかなり有名な金山であり砂金産地です。私がここに本格的に通い出したのは「ねじきりの里」という砂金と金山の民俗史の本を手に入れ、砂金産出の概要が分かったこと、そして何よりも梅ヶ島の自然の美しさに惹かれたからです。この近辺のほとんどの沢で砂金が産出し、まさに黄金郷です。 12月23日、野村さんが静岡に隕石の会合でいらっしゃると言うことで私が梅ヶ島の案内をかって出ました。他にも近県のメンバーに集まってもらい神奈川から植松さんと広瀬さん、山梨からゆのおくちゃんと合計5人で特に有名な3カ所を回ることになりました。鉱物の採集というとほとんど男だけのむさい集団になりがちなので、女性が一人でも加わると華やかで良いものです。天気も雲がほとんどない快晴です。 関之沢は安倍川の支流の一つで一昔前はここでの砂金掘りを渡世にしている人たちが多くいました。農閑期にはほとんどの農家が砂金を掘っていたと言いますがそれも昔の話です。 このエリアの砂金掘りは大変難しく当たりはずれはかなり大きいようで、砂金は河原の結構下の方に埋蔵されており、しかも石が大きいため採掘が大変です。当日は雪が残っており地面が凍っているため採掘がさらに困難でした。パンニング皿を少し置いておくと中の水が凍ってしまうので水温も0度に達していることがすぐに分かります。 今回の道具の目玉品は野村さんの四角いパンニング皿です。長方形の底に四方は階段状の側板に囲まれており、直線の動きのみで淘汰します。入れた砂が砂鉱だけになっていく早さが段違いで、ゆり板と良い勝負です。すばらしい! 野村さんはこちらに来る都度毎回不思議かつ便利な道具を披露してくれて、まるでドラエモンのようです。 植松さんも、知り合いの大工さんに作らせたゆり板を持ってきました。見事な出来映えで持たせてもらってあまりの軽さにびっくり、やはり柳は良いですね。わたしもほしくなってしまいます。 さて、ここでは磁鉄鉱という物がほとんどありません。それがこの産地での見立てを難しくしています。砂金に伴うのはわずかな赤茶けた砂です。ポイントを捜すときいかに砂鉄が有効かを実感します。いつもは淘汰のじゃまだと思っていたのですが、砂鉄は砂金採集の大事な指標になります。 各自いくつかの砂金を採取しましたが今回は残念ながら2ミリクラスは一つも確認できませんでした。野村さんは盤たたきをやり、だんだん調子が出てきたようですが残念ながら午後の日影沢での採集があるため一時間半ほどの採集で撤収です。掘った穴を埋め戻し昼食をとるために黄金の里に向かいます。 関之沢での砂金の形状ですが小粒ながら鱗片状の物がほとんどなく、丸みを帯びていて、表面もなめらかですのでパンニング皿の中でよく転がります。それにしても寒い! (日影沢編につづく) |